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【book】『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

プロジェクト・ヘイル・メアリー(アンディ・ウィアー著)読了。 久しぶりに非常に面白くて引きこまれる本に出会った。 読後感も爽やか。最近読んだ本でダントツ1位。 SFの新たな金字塔だ。

【book】『黄色い家』

「黄色い家」(2023年 / 川上未映子著) 読了 図書館に予約をして半年くらいで漸く順番到来という人気の本。 内容についてはネタバレにならないように、以下はパブリック・インフォメーションの転載と、それから、わたしの読後感。 本の帯に記載されているプ…

【book】『刑務所のリタ・ヘイワース:ショーシャンク・リデンプション』

スティーブン・キングの『刑務所のリタ・ヘイワース:ショーシャンク・リデンプション』読了。 スティーブン・キングの中編集「恐怖の四季」に収録されている短編のひとつ。「恐怖の四季」は、英語版(米国のペーパーバックス)では1冊だが、日本の文庫本で…

【book】『妄想美術館』

「妄想美術館」原田マハ (著), ヤマザキマリ (著) を読む。 「たゆたえども沈まず」や「リボルバー」の原田マハと「テルマエロマエ」のヤマザキマリの対談形式の本。 全6章からなっていて、後述するテーマで2人がカフェかバーで雑談でもしているところのトラ…

【book】『第四間氷期』

「第四間氷期」(1958安部公房)読了。 面白かった! STORY 内容についてはネタバレにならないように、本の裏表紙に記載されていた紹介文を以下転記。 “万能の電子頭脳に、ある中年男の未来を予言させようとしたことに端を発し事態は意外な方向へ進展、やが…

【book】『FIRE最強の早期リタイア術』

「FIRE 最強の早期リタイア術」(クリスティー・シェン、ブライス・リャン著)を読了。 貧困な幼少期を過ごした著者が、いったいどのようにして30代で経済的自立を果たし、世界を旅行して過ごすという「働かない人生」を実現させたのか。 FIRE(Financial In…

トーマス・マンと健康診断の結果

2週間前に受けた健康診断の結果を聞きにクリニックへ。 このクリニックは例外なケースを除き予約制ではないので、30分以上待つのが普通。そこで読み物持参とした。選んだのは「ヴェニスに死す」。 今月の初めに友人が日経新聞の読書コラムの記事を送ってきて…

【book】『予告された殺人の記録』

冷たい雨の金曜日、そんな日は読書に限る。 ガルシア・マルケスの『予告された殺人の記録』を読む。 コロンビアの田舎町で異形(アラブの血が入った“よそ者”)の青年が殺人予告どおり殺される話を被害者の友人である“わたし”が30年後に検証しドキュメンタリ…

【books】『「グレート・ギャツビー」を追え』

『「グレート・ギャツビー」を追え』(ジョン・グリシャム著)読了。 出版日:2020年10月7日(日本)、2018年3月6日(USA)。 グリシャムなのに弁護士も法廷も出てこない。プリンストン大学の図書館からフィッツジェラルドの直筆原稿が盗まれ、その行方を追…

【book】『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365 Kindle版 』

東京は朝から一日中雨。 午前中にジムに行ったあとは、家ごもり。 こういう日は、ペーパーワークを片付けるのに最適。 Amazonからダウンロードした『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365 Kindle版 』を仕事の合間に少し読む。 題名は教養だけ…

【book】『大家さんと僕』

友人に勧められて『大家さんと僕』を読んだのが数週間前。 新宿のはずれにある木造二階建ての小さなアパートに越した主人公(作者)が高齢で上品な大家さんとの何気ない日常の一コマをシンプルな絵で表現した8コマ漫画で、ほのぼのした雰囲気がとても良い。 …

【book】『ピノコ哀しや』

『ピノコ哀しや』(芹沢 俊介 (著) )読了。 友人に薦められて図書館に予約しておいたもの。 1973年から約5年週間少年チャンピオンに連載されていた手塚治虫の『ブラックジャック』につき、ピノコとの愛という視点から論じる。 切り口が新しい観点で興味深か…

4連休は読書『アンドロメダ病原体ー変異ー』

世間は4連休。 都内は人口が減り、早朝散歩の時の神宮外苑も、街中も空間が多い。一方、国内線の航空機は満席となっていて、多くの人は旅行に出掛けたと思われる。 わたしはというと、敢えて郊外や他県の人混みには出向かず、自宅で読書を楽しんでいる。 今…

【book】『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件:なぜ美しい羽は狙われたのか』

『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件:なぜ美しい羽は狙われたのか』 カーク・ウォレス・ジョンソン(著)、矢野 真千子(翻訳) 化学同人社 (2019/8/7) 大英自然史博物館から約300羽の鳥の標本が消えた。19世紀なかばに英国の探検家・自然主義者Alfred Russ…

【book】『なぜぼくが新国立競技場をつくるのか』

『なぜぼくが新国立競技場をつくるのか』(隈研吾著:2016年5月24日日経BPマーケティング)読了。 隈研吾氏は木を多用し周囲との調和を意識した建造物で知られる建築家。批判されるのを承知で火中の栗を拾い新国立競技場の建設に参加することを決めた経緯を…

【book】『蜜蜂と遠雷』

友人に勧められて読み始めた直木賞受賞作品を読了。大ベストセラーで、図書館に予約してから順番がくるまでに半年と2週間もかかった。 2段組500ページという長編。 内容は、国際ピアノ・コンテストにかける天才ピアニストたちの想い、葛藤、成長を音楽を通し…

【book】『死に山』

1959年ソ連(今のロシア)の大学トレッキング部隊9名の異常な死体が冬山で発見された。遺体はテントから1キロほど離れたところで見つかったのだが、全員靴を履いていないし、零下30度の戸外だというのに衣服は極めて軽装。頭蓋骨を折ったもの、舌がないもの…

【book】『ヒルビリー・エレジー』

著者 J.D. ヴァンスは31歳(執筆時)の米国人ビジネスマン。 「私は白人にはちがいないが、自分がアメリカ北東部のいわゆる「WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)」に属する人間だと思ったことはない。そのかわりに、「スコッツ=アイリ…

【book】世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

津川友介 著東京:東洋経済新報社 (2018年04月) UCLAにて内科学助教授の著者が、最新の膨大な研究論文をもとに科学的根拠に裏付けられた食の常識を提唱する。 食事と健康に関する議論は個人の経験に基づくものが多い。しかし、たとえその発言者が極めて健…

『ヒトラーとドラッグ』

『ヒトラーとドラッグ:第三帝国における薬物依存』ノーマン・オーラー(著), 須藤 正美(翻訳)出版社: 白水社 (2018/9/26) 世界最悪の独裁者のひとりアドルフ・ヒトラーの狂気の背景を主治医の日誌からひもといた歴史ノンフィクション。 アドルフ・ヒトラーの…

[book] 冒険家たちのスケッチブック

冒険家たちのスケッチブック:発見と探検のリアル・グラフィックス ヒュー・ルイス=ジョーンズ、カリ・ハーバート/著 ケンブリッジ大学で博士号取得、探検歴史家でスコット極地研究所および国立海洋博物館の学芸員であるジョーンズ氏とサンデー・タイムズ紙…

「コンビニ人間」

第155回 芥川賞受賞作「コンビニ人間」村田 沙耶香著 を読む。大学卒業後18年間にわたりコンビニでアルバイト店員を続ける主人公。結婚もせずアルバイトを続けるのは普通ではないと周囲に言われる主人公だが、彼女にとりコンビニにいる時は非常に活き活きと…

『日本人はなぜ日本を愛せないのか』

『日本人はなぜ日本を愛せないのか』(鈴木孝夫:著)読了。自国ではなくて外国、特に西欧を愛し、また、モンゴロイド系の自分たちの外観を美的でないと思い込みコーカソイドに憧れるという卑下的な発想が生まれた原因を探る。 日本的な発想は島国で農耕民族…

「重力波は歌う−アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち」

アインシュタインの一般相対性理論(1916年)が発表されて奇しくも100周年となる2016年2月、重力波の直接検出に初めて成功した科学者チームがあった。 重力波−アインシュタインが理論のなかで予言していた最後の宿題が証明された。この検出という偉業を成し…

『ジャンクDNA-ヒトゲノムの98%はジャンクなのか』

『ジャンクDNA-ヒトゲノムの98%はジャンクなのか』(ネッサ・キャリー著、中山潤一訳)読了。遺伝子はタンパク質をコードするDNAが重要でそれ以外(ヒトゲノムの場合98%)はジャンクだと言われていたが、最近になりジャンクにも重要な役割があることがわか…

『アラブの心』曾野 綾子

曾野 綾子『アラブの心』読了。 イスラム諸国を訪問した筆者がイスラム国に暮らすイスラム人たちの日常生活や風習などを現地にて取材したうえで見たアラブの素顔と比較文化論。一般的に、極めて自己中心的と見受けられるイスラム圏の人々の発想は彼らの住む…

『父の詫び状』向田邦子

向田邦子『父の詫び状』読了。 氏の育った昭和初期を書き出したエッセイ集。 わたしの知らない時代でまるで他所の世界の話を読んでいるよう。しかし、こういった時代を経て現在の日本が存在するのだと思うと時代のレイヤーをこっそりはいで現在の背景を垣間…

下町ロケット

元三菱銀行員である作家、池井戸 潤(いけいど じゅん)の2011年直木賞受賞作 『下町ロケット』を読む。2年ほど書架で冬眠していた本。 佃製作所は従業員200人の中小企業。小型エンジンとロケットに使う水素エンジンのバルブを作る高い技術を持っていたが、…

『菊池寛急逝の夜』

菊池夏樹 著、『菊池寛急逝の夜』を読む。 著者は菊池寛の孫。2週間にわたる胃の病気から回復した快気祝いの宴の夜に狭心症で急死した作家の人生を家族しか知らない面を含めて記した作品。 菊池寛は沢山の文芸作品を著したほかに、 文藝春秋、オール読物を創…