【book】『なぜぼくが新国立競技場をつくるのか』


 

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 『なぜぼくが新国立競技場をつくるのか』(隈研吾著:2016年5月24日日経BPマーケティング)読了。

 

隈研吾氏は木を多用し周囲との調和を意識した建造物で知られる建築家。
批判されるのを承知で火中の栗を拾い新国立競技場の建設に参加することを決めた経緯を綴った。

 

2020年東京オリンピック開催が決まり、国立競技場の建てなおしが決まり、2012年に「新国立競技場基本構想国際デザイン競技」が開催された。氏は最初は新国立競技場の建設に応募する気はさらさらなかった。コンペティションの募集要件がブリツカー賞やAIA(アメリカ建築家協会)ゴールドメダルといった大御所しか貰えないような賞の受賞者であること、または、大規模スタジアムの建設経験者であることといったもので、自身は該当しないと思ったからだという。そして、コンペティションではザハ・ハディッド案が選ばれたが、そのあと、ザハ案の費用的なフィージビリティーが問題になり、とうとう白紙撤回となり、やり直しのコンペティションが行われることになった。

隈研吾氏は外苑前(青山)にオフィスをかまえ国立競技場の横を歩いて毎日通勤しているという“地元”の人であり、外苑に対する思い入れもある。大成建設からやり直しのコンペティション参加を一緒にやらないかと声がかかり応募することにしたという。ザハ・ハディッド案の75メートルという建物の高さがが49メートルになったのは、神宮の杜を愛する地元民にとりとても歓迎できることだ。おなじく地元民である隈氏ならではの着眼ポイントだと思う。75メートルだと周囲の環境から大きく逸脱しデザインの建造物だからだ。 そして、彼はやり直しコンペティションで採用された。

本は、新国立競技場の建築が始まる前に上梓。建築業界の仕組みなどにも触れられていて面白い。

 

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こうして、新国立競技場の建築が始まり、2019年の夏には完成が近づいた。 わたしが2年前に引っ越した現在の住居は国立競技場の近くであり窓からは日々出来上がっていく建造物がよく見えた。最初は木造多用の競技場ってなんなのだろうと思っていたが、出来上がってみると、周囲の環境とよく馴染む好ましいものになった。ザハ案の奇抜なものができなくてほんとうによかったと思う。

 

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彼は外苑前のオフィスまで国立競技場の脇をとって毎日通勤しているとある。ご近所さんなのであった。大柄な氏の目撃の背景に納得。

 

 



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  • Fitness: 4,413 steps, 3.1 km, 2 floors, Spin 0 min.、Pushups 20
  • Body: Weight 44.8 kg, Body Fat 21.0 %、BMI 18.06
  • Vitals 102/75/68