津川友介 著
東京:東洋経済新報社 (2018年04月)
UCLAにて内科学助教授の著者が、最新の膨大な研究論文をもとに科学的根拠に裏付けられた食の常識を提唱する。
食事と健康に関する議論は個人の経験に基づくものが多い。しかし、たとえその発言者が極めて健康であったとしても、個人の経験による健康情報はその人にとっては効果のあるものだったとしても、他の人にもうまくいくとは限らない。人間の個体差はいろいろだから。
この本は、著者の個人的な経験による健康情報を記載したのではなく、現在、一般的に信じられている食の常識につて、科学的エビデンスをもとに理論的な解析を行い、正しい健康志向の食事につき解説している。
そのアプローチは健康教祖のような人による押し付け的なところはなくて、客観的なアプローチなので読んでいても懐疑的になることがない。
たとえば、「カロリーゼロ」などのダイエット飲料を飲む人は脳卒中や認知症になりやすいという研究結果があるが、それは、人工甘味料が病気を引き起こす可能性が高いのではなくて、もしかすると、脳卒中になりやすいのは肥満の人で、肥満の人はダイエット飲料を飲む傾向にある。つまりダイエット飲料を飲んだから病気になったのではなく、病気になったので砂糖入りの飲料からダイエット飲料に切り替えたのかもしれない。
このような客観的かつ多面的なものの見方を踏まえてエビデンスに基づいた健康に良いとされる食事を説いていく。
トマトジュースはリコピンが含まれているので体に良いと言われているが、では、リコピンだけ抽出して摂取すればどんどん健康になるかというと、そうではない。トマトという形態で体内に入れることが重要だというのもうなづける。
ヨーグルトは体に良いと言われているが、乳製品のとりすぎは発ガン率を高める場合もあるし、魚は良いというが、魚の種類によっては含まれている水銀が多く体に良く無いという見方もある。
優良食品と言われている、オリーブ油、ナッツ、野菜、果物なども過剰摂取は良いことが無い。
常に最新の健康情報に注意しつつ、各人の体質や抱えている病気などを考慮して、自分に適した食品を適した分量を食べるのが良いというのが究極的な食事。
Health Data:
- Fitness: 5,435 steps, 3.0 km, 1 floors, Spin 0 min.
- Body: Weight 45.5 kg, Body Fat 21.5 %、BMI 18.35
- Vitals 108/70/64