著者 J.D. ヴァンスは31歳(執筆時)の米国人ビジネスマン。
「私は白人にはちがいないが、自分がアメリカ北東部のいわゆる「WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)」に属する人間だと思ったことはない。そのかわりに、「スコッツ=アイリッシュ」の家系に属し、大学を卒業せずに、労働者階層の一員として働く白人アメリカ人の一人だと見なしている。」
世界で最も豊かな国で「アメリカン・ドリーム」から最も遠い存在のグループがある。失業、貧困、ドラッグ、暴力が蔓延し、しかし家庭内暴力があるのに実は家族愛があるという矛盾に満ちた存在のヒルビリーまたはレッドネックとも呼ばれる米国中西部の白人労働者階層だ。
ヴァンスはオハイオ州ミドルタウンで育った。アイルランドから米国に移住したアイリッシュを祖先に持ちヒルビリーの文化にどっぷり浸かって育った著者が、イェール大学ロー・スクールを卒業してヒルビリー文化から抜け出したまでを綴る。
特に偉業を成し遂げたわけでもない筆者の31年間の回想録が、何故こんなに面白いのか、何故ベストセラーになったのか。それは、出版された時代「分断されたアメリカ」に大きな関係がある。
2016年6月に出版された本書『ヒルビリー・エレジー』は、翌年にまさかの大統領になったトランプの支持者がもっとも多いといわれる白人労働者階層の内情を描いたもので、アメリカを知るのに最も良いと評価されベストセラーとなったもの。非常に興味深い。
作者は、ロースクール時代に将来のパートナーとなる女性と出会い、2人は卒業後に結婚しサンフランシスコ郊外に家を買い子供にも恵まれ犬2匹と一家3人という絵に描いたような幸せな家庭を築いている。しかしヴァンスは時々むくむくと出現しそうになるヒルビリーの血(つまり怒鳴ったり喧嘩したり)を抑制しているとのことだった。
Health Data:
- Fitness: 5,451 steps, 3.2 km, 0 floors, Spin 0 min
- Body: Weight 44.9 kg, Body Fat 21.0 %、BMI 18.10
- Vitals 103/63/58