1959年ソ連(今のロシア)の大学トレッキング部隊9名の異常な死体が冬山で発見された。遺体はテントから1キロほど離れたところで見つかったのだが、全員靴を履いていないし、零下30度の戸外だというのに衣服は極めて軽装。頭蓋骨を折ったもの、舌がないもの、など死に方は一般的な遭難事件とは異なるものだった。ソ連の最終報告書は「未知の不可抗力によって死亡」という終わり方をした、世界一不気味な遭難事件「ディアトロフ峠事件」の真相を探る。
冷戦下のソ連では、外国への旅が自由にできる環境はなく、大学生たちは国内の山々のトレッキングをして未踏の地を冒険するのが楽しみとなっていた。
そういう状況で冬の雪深い山の中で見つかった尋常でない死に方をした大学生9名は一体どのような状況に遭遇したのか。
事件から50年以上経ち、この事件に興味を持った人が居た。39才のフロリダ生まれアメリカ人が真相を探るべく奔走する。
展開はドキュメンタリー映画をみているような作り方。著者が2012年ロシアに飛びいろいろな調査をするシーンと1950年代の当時とが交叉して話がすすんでいく。緻密な調査の結果、真相はこうであったのだろう、という結末(消去法から言ってこれが妥当と思われるというセオリー)に結びつくが、その辺りはあっけない。
本書は、謎解きと思うとラストがあっけないが、冒険話と思えばとても面白い。
出版社: 河出書房新社 (2018/8/25)
Health Data:
- Fitness: 13,331 steps, 7.8 km, 8 floors, Spin 0 min., Pushups 60
- Body: Weight 44.5 kg, Body Fat 21.0 %、BMI 17.94
- Vitals 115/73/69