『ヒトラーとドラッグ』


 

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ヒトラーとドラッグ:第三帝国における薬物依存』
ノーマン・オーラー(著), 須藤 正美(翻訳)
出版社: 白水社 (2018/9/26)

 

世界最悪の独裁者のひとりアドルフ・ヒトラーの狂気の背景を主治医の日誌からひもといた歴史ノンフィクション。

  

アドルフ・ヒトラーの主治医となったテオドール・モレルは、街の人気開業医で一本のビタミン注射で元気になると評判だった。しかし、ヒットラーのお抱えとなってからは、元気を取り戻して力強い闘争心を持続させることのできる状態となるさらに強いクスリが求められ、当時は規制されていなかったメタンフェタミン覚醒剤)やオキシコドン(アヘンから合成される鎮痛剤)、オイコダール(鎮静剤)などを注射するようになる。当然のことながらヒットラーはそれらのドラッグの依存症となる。

 ヒトラーはまた、戦線にいく兵士にも覚醒剤を投与し丸1週間寝ないで任務遂行できるように指示し、総督以下ナチス・ドイツはドラッグ中毒集団だったのだということが、医師の日誌記録から明らかになった。医師の手書きの日誌には「患者A」と記載されているのがアドルフ・ヒトラー、「患者B」はヒトラーのガール・フレンドであるエヴァ・ブラウン

実際の戦時中の出来事と、薬物投与がシンクロして書かれており、第二次世界大戦の戦線変化のビハインド・ザ・シーンのように読んでいけて非常に興味深い。

戦況が悪化していくころにはヒトラーの体もドラッグ多用により衰弱しきっており、歯は抜け落ち皮膚は枯れ葉のようだったという。

最後にはヒットラーに打つ麻薬もなくなり、すっかり衰弱したヒットラーは注射針の代わりに銃弾を使って自殺した。

 


 

Health Data:

  • Fitness: 11,720 steps, 6.3 km, 2 floors, Spin 0 min
  • Body: Weight 45.1 kg, Body Fat 20.8 %、BMI 18.19