テレクトロスコープ

1890年、ロンドンとNYの間に長いトンネルを掘り、そこにチューブを通し互いが見えるようにする史上初の電気的望遠鏡を作るという構想があったが、日の目をみることはなかった。それが21世紀になり当初の発案者の孫により実現されたのだ。
ブルックリン橋の下とロンドンに設置されたテレクトロスコープ(Telectroscope)は、いかにも1890年代の代物というアールデコのような、或いは、ジュール・ヴェルヌの小説に出てきそうな形をしている。勿論ほんとうにアトランティック海の下を掘ったのではなく、すでに地球上にはりめぐされたされたケーブルを利用した近代の技術であるビデオ・カムを用いた電子的なスコープ。ロンドン側の「スコープ」はタワー・ブリッジの設置され、リアルタイムで互いを見ることが出来る。

118年後に二箇所に出現した「スコープ」というアイディアも良いが、わたし的には、まるでレトロなSFのキャタピラー(芋虫)みたいな姿で、とてもファンタシーな世界に浸ることができて大変に満足した。