フリッツ・ハンセン青山本店へ。
鮮やかなイエローのドロップチェアがお出迎え。
「セブンチェア メインテナンスセミナー」へ参加するのが目的。
セブンチェアを既に持っている人、これから購入を検討している人などを対象にフリッツ・ハンセン青山店が主催するイベント。
14時少し前に会場に着くと、いつもは家具売り場の1階がセミナー会場用にアレンジされていた。
大量の(そしていろいろなヴァージョンの)セブンチェアが並んでいるのは圧巻。
写真のチェアは全体のほんの一部。全部で30脚以上はあったと思う。
最初の15分くらいはチェアのデザイナーであるアルネ・ヤコブセンの略歴とフリッツ・ハンセンとの関連、それに、ヤコブセンの作品の特徴などにつきスライドを使い説明。
全世界でいままでに6百万脚ほど売れたという名作セブンチェアをデザインした アルネ・ヤコブセンはデンマークの建築家であり家具デザイナーでもある。世界で初めて座面と背もたれが一体型の木製椅子を作った人である。
フリッツ・ハンセンは成型合板の得意な家具店で、アルネ・ヤコブセンとのコラボレーションがあって、座面&背もたれ一体型の椅子が誕生となった。
セミナーはセブンチェアにフォーカスされているが、セブンチェアと親戚関係にあるようなデザインとなる他のヤコブセンの他の名作チェア作品も紹介。
スライド左から、アントチェア(初めて座面と背もたれ一体型に成功したモデル)、リリー、セブンチェア、グランプリチェア、そしてドロップチェア。
それぞれが作られた背景や特徴などを説明するのだが、都度、スライドのみでなく、椅子現物も掲げながらというところが、ダイナミック。
一通りの説明が済むといよいよメインテナンスについて。
先ずは座面の汚れ。
汚れがついてしまった場合は、中性洗剤で拭いてみる。
それでも、とれなかったら、消しゴムを使う。
それでも取れない汚れは、メラミン・スポンジでピンポイントでこすってみる。ただしメラミンスポンジは研磨スポンジなので、使用には注意が必要。
欠けがあった場合、同じ色にペイントするのが良い。現行モデルのセブンチェアの’場合、ペイントは Fritz Hansenの店で全色売っているとのこと。
次にレッグ。
セブンチェアはクロームのレッグが一番一般的。スティールにクロームメッキを施したもので、使用環境や経年劣化などで輝きがなくなったり錆がでたりする。
レッグの手入れに有用なのは、Kure 5-56 および PIKAL。
前者は防錆潤滑剤、後者は、研磨剤。
輝きがなくなった(触るとざらっとする)だけなら、Kure 5-56を柔らかい布につけて脚をふく。それだけで輝きやすべすべ感が復活する。
赤茶の錆が出て来てしまったら PIKALを使う。柔らかい布につけて脚を磨く。それでも取れないような場合は内部まで錆が進行しているので外からの研磨では対応できない状態。
次に本体と脚の接続部分。
座面下のメカニズムはプラスティックのカバーで覆われているのでそれを外す。
ヴィンテージものだと金属のカバーのこともある。
座面裏で脚を固定するのはスペーサーとトルクスネジ。ネジのサイズはT30なので、それに対応したドライバーが必要となる。
1年に1回くらいネジの緩みがないかチェックし、締め直すと安全だし椅子が長持ちする。
次に足キャップ。
足キャップは、消耗品なので時々の交換が必要となる。
キャップを取り外すには椅子を横にして、ペンチなどでキャップをつまみ引っ張る。そのときにレッグを揺らすようにすると抜けやすい。揺らす事により椅子の構造が壊れることはないので心配なく揺らしてよとのこと。
キャップは床に傷をつけないためのものなので、床面にフエルトがついたものとつかないものの2種類がある。そして其々は上の写真のように芯がついたものとつかないものがある。これはセブンチェアの足が二重構造になっているからで、実は全ては同じなのだけれど、使用している段階で芯が椅子のパイプ側にくっつきキャップと離れている場合があるので、そういう時は、新しいキャップは芯のないついていないキャップ(写真の下側)を使う。芯ごと外すことができたら写真の上のキャップをつけることになる。フェルト付きも無しも、また、芯のついているのも付かないのも全てのヴァージョンは Fritz Hansenで販売している。
キャップの付け方。
手でキャップを5割程度ねじ込み、最後はゴムのハンマーで。金槌しかない場合タオルなどで保護をして叩く。
もしキャップを4個すべて交換した場合なら、5割程度手で押し込んだら椅子を起こして、座れば体重により全てが奥まで挿入される、という方法もある。
セブンチェアの足キャップの交換をした知り合いからとても大変だったと聞いたが、Fritz Hansenの人によると慣れればひとつにつき1〜2分だとのこと。
セミナー終了後はお菓子と飲み物。
木製容器に盛られていたのは、どら焼き。なんと Fritz Hansenのシンボルマークともいえるエッグ・チェアの焼印のついたもの。食べるのが惜しい。
水のボトルも FRITZ HANSEN。
季節外れの暑い日だったけれど、青山まで出向く価値おお有りの楽しい催しだった。
なお、どら焼きは、食べるのが勿体無くて、持ち帰って帰宅後冷蔵庫にしまった。
Health Data:
- Fitness: 11,118 steps, 6.3 km, 1 floors, Body: Weight 44.2 kg
- Body Fat 20.0 %、BMI 17.82
- Vitals 111/69/61