トータル・リコール

フィリップ・K・ディックの短編小説を映画化しアーノルド・シュワルツェネッガーが主演して大ヒットした1990年作品のリメイク。
舞台は近未来。戦争の果てに環境が荒廃した近未来。世界は中央政権(ユナイテッド・フェデレーション・オブ・ブリテン)とコロニーといわれる被支配階級に二分されていた。 工場労働者のダグラス・クエイド(コリン・ファレル)は、退屈な日々に飽きていて何か変化を求めていたところ同僚から「リコール」という記憶を植えつける機関の話を聞き自分も試したくなり訪問する。そこで選んだのは諜報員になるというシナリオ。準備中にしかし、警官隊がリコール社に押し入り、ダグラスは抜群の戦闘テクニックを駆使して全員をやつけてしまう。記憶注入準備中の出来事だと思ったが、いままでの自分には無い能力を発揮したので、これは新たな「記憶」なのか、それとも工場労働者のダグラスとは記憶を上書きされた姿で、実は腕利き諜報員なのか、現実と虚構の間をさまよいながらダグラスは戦いに巻き込まれていくという話。
前作では舞台は火星だったが、今回は地球。資本主義と労働者階級の戦い、そして自分のアイデンティティーというテーマは前と同じだが、出演者が地味(コリン・ファレルケイト・ベッキンセールジェシカ・ビール )なので、新作の映像は抜群にきれいでも、作品としては地味なまま終った。前作の足元にもおよばないというのが私の感想。